不整地, 軟弱地での走行性を良くするために従来よりラグ付きの車輪が用いられてきた。ラグはけん引性能の向上に効果があるとされ, 最近のトラクタではハイラグタイヤが標準装備されるに至っている。本研究では砂質土壌および粘質土壌において標準タイヤを含む4種類の高さの異なるラグを装備したタイヤを用意し, 土壌槽でのけん引性能試験から, ラグの効果について考察した。その結果砂質土壌では, 高いラグは接地時にラグ先端に接地圧を集中させ走行路面の土壌を破壊し, けん引に寄与することは少なく, むしろラグの高さを低くして接地面積を多くするような方策が良いことがわかった。粘質土壌ではハイラグの効果は明確には認められなかった。