1983 年 45 巻 3 号 p. 289-296
道産品のハツカ草の揮発性精油がユーカリ油に近い性状であることを知り, 寒冷地植物ハツカ油の火花点火機関燃料としての適応性を検討している。第1報はハツカ油2種類―ペパーミント油およびスペアーミント油を―無鉛ガソリンに混合したブレンド燃料で機関で運転した結果, 1) ガソリンに対する気化器設定のままでは, 空気過剰率は希薄側へ移行する。その結果, ガソリン単味使用時に比べ, 見掛上, ハツカ油ブレンド燃料の方が軸出力・正味熱効率とも向上する結果が得られた。2) しかし, 同一の空気過剰率で比較した場合, ガソリン単味およびペパーミント単味の両者間には軸出力・正味熱効率とも全く差異は認められないことが判つた。