1976 年 38 巻 2 号 p. 191-199
農業機械の制御では, 対象となる作物等の条件が大きく変動することが一つの特徴である。自脱型コソバインでは稲の品種, 熟度, 水分等により脱穀特性が異なるので, 設定値を固定した従来の制御方式では常に良好な制御結果を得ることは難しい。本研究はコソバインが入力変動に適応するよう, エソジン負荷と, 供給量及びその時間的変動の3入力をサソプリング法で検出し, 電子的に論理判断を行なって走行速度を制御してエンジン負荷を一定に保つようにした。ほ場実験並びにシミュレーションによる検討結果では良好な制御性能が得られた。
第1報は制御装置及びブール代数による電子回路の解析について報告し, 第2報はサンプル値制御系の実験結果及び従来の制御系との比較, 第3報はサンプル値制御系の解析とシミュレーション結果との比較, 第4報は評価関数法による最適制御の問題について報告する。