看護師におけるパワーハラスメントの被害経験が外傷性ストレス反応に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。無記名自記式質問紙調査を実施し,11病院の看護師1,890名を分析した。外傷性ストレス反応を従属変数としたロジスティック回帰分析の結果,情報を与えてもらえなかった,仲間はずれにされた,間違いや誤りを繰り返し思い出させられた,無視された,仕事を監視された,沢山の仕事を与えられた等の行為を経験した者において,有意に外傷性ストレス反応が高かった。看護師へのメンタルヘルスケアを推進する上で,パワーハラスメント防止に向けた職場環境改善の必要性が示唆された。(表6)