2005 年 27 巻 3 号 p. 178-186
システムLSIにおける, 最近の故障物理と信頼性の評価の取り組みについて概観する.μmからnmオーダーで起こる故障物理現象が, 数千万から数億個のセグメントが集積されたシステムLSIの故障としてどのように顕在化するか, 評価・推定してゆく過程とその重要性を示す.例として, ダマシンCu配線のエレクトロマイグレーション評価事例を挙げる.原子輸送の駆動力である電子風力のモデル化から, 実際のボイド発生・成長の測定例, LSI実動作を模した際の故障物理特性測定例, 低い累積故障確率の寿命分布の測定例について紹介する.