日本信頼性学会誌 信頼性
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診断データを用いたシステム状態の最適判別方式に関する考察 I(第11回信頼性シンポジウムREAJ)
阿部 俊一劉城 剛
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1998 年 20 巻 8 号 p. 556-559

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抄録

医学検査などのデータによる判別では, 陽性(+), 陰性(-)のほかに, しばしば疑陽性(±)の判定が用いられている。こうした場合に対応するモデル化として, まず, 2群判別に判別保留領域を追加し, 結果的に3個の判別領域を設定し, 与えられた1標本当たりの誤判別と判別保留の総期待費用を最小化する最適判別方式を考える。このとき, 誤判別と判別保留(曖昧な判別)の期待費用が各標本値x=(x^<1>x^<2>…, x^<p>)に無関係な定数として与えられるモデルについては, 筆者の1人がすでに下記の文献[1]で解析しているので, 本報告では, そのモデルの1つの拡張として, システムの複数の状態の判別領域に判別保留(曖昧な判別)の領域をいくつか付加したモデルを設定し, 更に誤判別と判別保留の費用がxの関数として与えられる場合の最適判別方式を考察する。このモデルで, 費用関数の与え方を価値観の多様化に対応して種種変化させれば, 全体の誤判別確率を最小化するモデルや尤度を用いた判別モデルとの関係付け・相互比較などが可能になると考えられる.

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© 1998 日本信頼性学会
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