主催: 日本学術会議 機械工学委員会・土木工学・建築学委員会 合同IUTAM分科会
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本材料学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本船舶海洋工学会, 日本伝熱学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 農業農村工学会
本論文では、小型無人航空機(小型UAV)の飛行特性をよく表す運動方程式である微小擾乱方程式を構成する安定微係数を、システム同定の枠組み、すなわち飛行実験で取得したデータから求める手法について提案を行うものである。ここで小型UAVとは固定翼を有する航空機であり、その重量、主翼幅はそれぞれ1kg、1m程度を想定している。小型UAVは大型の航空機と異なり、突風といった外乱に飛行が大きく影響されるため、大型の航空機で用いられるシステム同定手法、例えば最小二乗法やフーリエ変換回帰では不十分であることを示すとともに、特に外乱に対してロバストなシステム同定手法を新たに提案しその効果を示す。この新手法は離散ウェーブレット変換をもとにした多重解像度解析から得られる時間周波数情報を用いており、概念的には時系列データを直交分解する部分空間同定法に近い。