皮膚
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アナフィラキシー様紫斑と腎炎合併に関する臨床的検討
松岡 縁矢敷 敦調 裕次高木 圭一川津 智是
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1995 年 37 巻 5 号 p. 517-526

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抄録

平成4年1月から平成5年12月までの2年間に, 当科で診断したアナフィラキシー様紫斑10例のうち, 5例に紫斑病性腎炎を合併した。患者背景と皮疹の状態, 臨床検査成績および皮膚生検像を調べ, 腎炎群と非腎炎群に分類して, 発症の危機因子を検討した。その結果, 皮疹が広範囲かつ長期間持続し, 熱発, 腹痛, 関節痛を伴ったり, 便潜血強陽性, IgA高値, 血液凝固第XII因子活性の低下, 皮膚生検像で高度の細胞浸潤および核破壊を認めた場合, 腎炎を合併することが多かった。過去の統計的な報告と比較したところ, 合致する点としない点があった。また皮膚生検像も, 腎炎合併を含めた本疾患の予後判定に有用であると考えた。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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