皮膚
Online ISSN : 1884-541X
Print ISSN : 0018-1390
ISSN-L : 0018-1390
D-ペニシラミン服用中に発症した天疱瘡
小松 平稲谷 真池澤 善郎
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 28 巻 3 号 p. 400-404

詳細
抄録

56歳、女性。昭和56年、慢性関節リウマチの治療のためD-ペニシラミン内服を始めたところ、半年後に水疱が全身に出現。同薬剤中止によりいったん軽快するも59年1月再び悪化、某院皮膚科にてdermatitis herpetiformis Duhringと診断された。60年1月当科受診時、皮疹は類天疱瘡様であったが、病理組織は尋常性天疱瘡に一致、螢光直接法で表皮細胞間にIgG沈着、但し間接法は陰性。入院後プレドニゾロン60mg/日から開始し現在は15mg/日で寛解。
現在までD-ペニシラミンに誘発されたと思われる天疱瘡様皮膚病変についての報告は本邦で12例を数えるが、これらの臨床、組織経過などをまとめ、若干の考察を行った。

著者関連情報
© 日本皮膚科学会大阪地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top