1983 年 25 巻 3 号 p. 517-522
20才以上の帯状疱疹患者178名を臨床症状別に軽症, 中等症, 中~ 重症, 重症 (汎発型) の4型に分け, 治療として外用療法のみ (無処置群), γ-グロブリン大量注射群 (ベニロン, γ-ベニン, ヴェノグロピン), γ-グロブリン少量注射群 (γ-グロブリン500mg以下またはヒスタグロブリン注射群) の3群に分けて行い, 皮疹出現後30日を経過しても神経痛の残った症例数の割合を比較した。
40才以上を対象とした場合, γ-グロブリン大量注射群は無処置群に比して神経痛の残る率は統計学的に有意の差をもって少なかった (P<0.05) ので, γ-グロブリン大量注射法は帯状疱疹後神経痛の発生予防効果があると考えられる。