1977 年 19 巻 4 号 p. 331-335
尋常性天疱瘡4例, 落葉性天疱瘡1例および紅斑性天疱瘡1例から得た血清を用いて, 螢光抗体法間接法を行なった。螢光標識抗体として免疫グロブリンの軽鎖であるラムダ鎖とカッパ鎖に対する抗体を用いて, それぞれのSubstrateに対する結合部位を検した。結果は病型による差はほとんでなく, ラムダ鎖が表皮上層の, カッパ鎖が表皮下層の細胞間物質と親和性のあることを見た。要之, 天疱瘡の病型差は免疫グロブリンの軽鎖によって決定されるという証は得られなかった。