抗アレルギー剤である塩酸オロパタジン(オロパタジン)がアトピー性皮膚炎(AD)患者末梢血単核球(PBMC)のTh2ケモカイン産生に与える影響を検討した。AD患者にオロパタジン1日10mg4週間投与し,治療前後で,血漿中およびダニ抗原刺激下培養PBMC上清中のCCL17,CCL22値を測定した。血漿中CCL17値,CCL22値,およびダニ抗原刺激下培養PBMC5日目の上清中CCL17値は治療前後で有意に減少した。また,血漿中CCL17値,CCL22値とSCORAD indexは有意に相関した。オロパタジンは,AD患者PBMCの CCL17,CCL22産生を抑制しADの症状を改善すると考えられた。