アトピー性皮膚炎 (AD) は外因性と内因性に分けることができる。内因性 AD は皮膚バリア機能が正常で,フィラグリン遺伝子変異が外因性 AD に較べると少なかった。免疫学的には外因性 AD より IFN-γ 産生細胞割合が高いことが示され,Th2 ケモカインである CCL17/TARC は低値であった。内因性 AD の原因の1つに金属アレルギーの可能性が考えられ,金属パッチテストで内因性 AD の52.9%がコバルトに陽性であった。以上より,内因性 AD はバリアが正常であるために蛋白抗原が通らず,蛋白以外の抗原,例えば金属にさらされるために Th1 が活性化され,IFN-γ の産生が高くなるという構図が考えられた。(皮膚の科学,増16: 38-40, 2011)