滲出性中耳炎でのチューブ留置術後の鼓膜穿孔例に対して、外来で行う簡易な鼓膜形成術の方法と術後成績を紹介した。術式としては経外耳道的に鼓膜麻酔液で鼓膜を麻酔後、穿孔縁周囲上皮を除去し、外耳道後方の耳介皮膚片を採取してオーバレイ法で置くものである。初回手術で5例中4例で穿孔の閉鎖に成功し (成功率80%)、残り1例の再穿孔例は再手術で穿孔の閉鎖に成功した。日常生活での支障を解消し経外耳道感染を防止する意味からも、耳管機能が軽快した段階で鼓膜穿孔を閉鎖することは必要かつ大切である。チューブ留置後の鼓膜穿孔は一般に小さいものが多いので、外来的に閉鎖術を施行するのに適しており、われわれの方法は簡便な外来手術として推奨できるものと考えられる。