耳鼻と臨床
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薬物相互作用
森 昌斗
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キーワード: 薬物血中濃度
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1994 年 40 巻 2 号 p. 123-133

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抄録

薬物相互作用のメカニズムは薬物動態学的相互作用と薬力学的相互作用に大別される. 薬物動態学的相互作用とは併用薬によつて薬物の吸収. 分布. 代謝・排泄が変化する場合である. 例えばテトラサイクリンやニューキノロンは制酸剤との併用で吸収が低下する. ワルファリンの抗凝血作用はフェニルブタゾンの併用で, 重大な出血を生じることがある. フェノバルビタールは肝薬物代謝酵素を誘導し併用薬の代謝を促進する. セファロスポリンの排泄は尿細管から分泌されるが, プロベネシドによつて排泄が阻害される.
薬力学的相互作用の例としては, ニューキノロン抗菌薬と非ステロイド抗炎症薬の併用で痙攣を誘発することが知られている.

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