耳鼻と臨床
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口腔および中咽頭癌術後の嚥下機能
黒岩 泰直
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1992 年 38 巻 6 号 p. 812-824

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抄録

口腔癌および中咽頭癌98例について, その切除範囲と術後の嚥下障害との関係を検討丁し以下の結論を得た.(1) 舌可動部を1/2まで切除しても嚥下障害はないが, 1/2から3/ 4まで切除すると, 舌根を含んで切除してもしなくても軽度の嚥下障害をきたす.(2) 舌可動部を亜全摘および全摘した場合, 舌根が残存しておれば軽度の嚥下障害ですむが, 舌根を合併切除すると重篤な嚥下障害をきたす.(3) 中咽頭側壁を切除した場合, 軟口蓋を1/2まで合併切除してもほとんど嚥下障害はおこらないが, それ以上切除すると嚥下障害をきたす.(4) 中咽頭後壁や前壁を1/2以上切除すればするほど, より高度な嚥下障害をきたす.

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