1992 年 38 巻 4 号 p. 473-475
1. 経蝶形骨洞的下垂体術後に生じた, 蝶形骨洞嚢胞 (粘液膿胞) を経験した.
2. 嚢胞の成因として, 経蝶形骨洞的下垂体手術による洞自然口の閉塞が考えられた.
3. CTでは, mass legionと周囲骨組織との関係は明瞭であるが, その病変が腺腫の再発か, 嚢胞か, あるいは術後の肉芽なのかは不明であつた.
4. mass legionの質的診断には, CTよりMRIのほうが有用であり, とくにT1強調画像は下垂体周辺の描出に優れていた.
5. 粘液嚢胞は, T1, T2画像共に高信号に描出された.