2006 年 21 巻 3 号 p. 695-703
目的・方法:当院健康管理センターでは人間ドックのオプション検査として脳ドックを開設しているが,そこで平成16年1月から平成16年12月までの間に脳ドックを受診した570人について,脳ドックで発見された疾患,無症候性脳梗塞の危険因子などにつき検討した.結果:magnetic resonance imaging(MRI)およびmagneticresonance angiography(MRA)の判定で「異常あり」と判定されたものは「疑い」のあるものも含めて228人であった.そのうち,無症候性脳梗塞が181人であった.多変量解析における無症候性脳梗塞の危険因子は年齢,高血圧,眼底高血圧性変化であった(p<0.05).当研究は無症候性脳梗塞の危険因子としての眼底血管異常(眼底高血圧性変化,眼底細動脈硬化性変化)と高血圧の比較を初めて行ったものである.結論:無症候性脳梗塞の危険因子として,高血圧とともに眼底血管異常も独立した危険因子として認識する必要があると考えられた.