2003 年 18 巻 3 号 p. 318-322
人間ドックの評価は1回の受診結果のみならず経時的変化を考慮して行われるのが理想である。本研究では,当所の人間ドック30年以上継続受診者52名について,入会状況,年齢と身長,体重,BMI,血圧,罹患疾患の関連を検討した。入会年齢は40代が半数で40年間継続者が6名いた。体型は加齢とともに肥満に向い80代になると戻る傾向を示し,血圧は上昇するが50代で持続的な上昇を示す群と,70歳以降に下降する群の2群に分かれた。発病疾患は循環器が50代,悪性腫瘍は70代でピークを示した。加齢による身体の変化を把握し,年代に応じた内容のドックを行うことが重要と思われた。