2020 年 35 巻 4 号 p. 540-551
婦人科検診は,子宮頸がん検診を主に女性性器の疾患をスクリーニングし,予防医療により受診者の健康を維持するために行われている.婦人科がんの死亡率低下に寄与する検診は,婦人科医師が採取した細胞診単独法による子宮頸がん検診のみである.子宮体がん(内膜がん)や卵巣がんの診断には,経腟式超音波診断法が用いられているが,がん検診で死亡率低下に寄与するエビデンスは報告されていない.2019年子宮頸がん検診のガイドラインが発行され,ヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus: HPV)単独法が細胞診単独法と同等の推奨レベルAとなった.しかし,両診断とも医師採取のみが認められ,自己採取はまったく推奨されていない.