2016 年 30 巻 5 号 p. 851-856
目的:当施設では開設時より顧客満足度80%以上を目標として,受診者全員にアンケート調査を行っている.待ち時間において満足度が70%前後と目標を達成できていない現状がある.待ち時間対策として,今回新しく検査ごとの待ち人数,待ち時間,各受診者の位置をリアルタイムに把握できるシステムを構築,導入し,その有用性を検討した.
方法:システムは,NECネッツエスアイ株式会社が当施設の健診方法に沿って独自のものを構築した.ファイルに受診者情報の入力されたICカードを貼り付け,各検査に設置したICタグ読み取り用装置(以下,ICリーダ)上に,ファイルが乗せられると受診者位置がわかり,システム上で位置情報管理を行う.システム導入前後のアンケート結果を比較した.
結果:受付の進行状況,各検査での混雑状況,待ち時間,各受診者の受診状況を画面上でリアルタイムに把握できるようになり,待ち時間の改善,満足度の向上が得られた.
結論:今回導入したシステムは,現状の運用を変えることがなく,スムーズに導入でき,良好な結果が得られ,有用と考えられた.今後もデータを活用し,受診者の待ち時間の変化を分析し,さらなる業務の効率化と改善を行い,受診者の待ち時間の満足度向上に努めたい.