診断用X線装置において診療時にX線管より放射されるX線の強度,エネルギースペクトル等の物理量は整流方式及びX線管に印加する管電圧とその波形により大きく変化する回このうち直流,12パルス,6パルス,単相全波,単相半波の基本整流電圧波形については前回数値解析を行なった.しかし実際のX纏装置ではこれら整流方式で定まる基本整流電圧波形が直接にX線管に加わることは少なく,高圧変圧器での電圧歪み,高圧変圧器とX線管をつなぐ高圧ヶ一ブルの静電容量の影響で波形に歪みを生ずる.この歪み量はX線管の動作条件(管電圧,管電流)で変化し,管電流が10数mA以下で放射X線の特性に影響を与えることが知られている.今回,X線管の管電流変化により生ずる整流波形の歪みと放射されるX線の特性変化を前回同様に数値解析により求めた.