主催: 一般社団法人日本物理学会
会議名: 2016年度日本物理学会秋季大会
開催日: 2016/09/13 - 2016/09/24
等原子価置換鉄系超伝導体Ba(Fe_0.65_Ru_0.35_)_2_As_2_は熱伝導率等の測定から超伝導ギャップにノードの存在が示唆されている。我々は以前、角度分解光電子分光によって超伝導ギャップのkz依存性を測定したところ、Z点近傍で2枚のホールフェルミ面の超伝導ギャップが小さくなる事を見出した。今回は我々は、DFTに基づく計算によってスピン軌道相互作用によって2枚のホールフェルミ面の軌道成分が混成し得る事を見出した。一般に3d電子系ではスピン軌道相互作用は強くは無いが、縮退に近いフェルミ面においては超伝導ギャップ構造にも重要な寄与をもたらす可能性がある事を報告する。