日本物理学会誌
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新しいニュートリノ研究領域を拓くKamLAND実験
鈴木 厚人
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2000 年 55 巻 8 号 p. 594-602

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抄録

スーパーカミオカンデによる大気ニュートリノ振動の検出は,ニュートリノが有限質量を持つことを証明した.素粒子物理学の永年の未解決問題であった,謎の粒子ニュートリノを解き明かす糸口がようやく見えてきた.素粒子物理学,天体物理学,宇宙論に変革をもたらすニュートリノの正体の謎解きに,多くの研究者が挑戦している.本稿では,建設が進んでいる1,000トン液体シンチレータを用いたニュートリノ/反ニュートリノ検出器(KamLAND)の紹介と,この実験によってニュートリノの正体の何が解き明かされるのかにっいて述べる.

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