日本物理学会誌
Online ISSN : 2423-8872
Print ISSN : 0029-0181
ISSN-L : 0029-0181
レプトンの異常磁気能率と量子電気力学 (解説)
仁尾 真紀子木下 東一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 61 巻 8 号 p. 565-572

詳細
抄録

電子の異常磁気能率が発見されたのは1947年,それが量子電気力学による場の量子効果として理解されたのは1948年である.以来,実験値,理論値ともに精度を上げ,現在では電子では10^<-9>,その後に測定されるようになったミュー粒子では10^<-6>に及ぶ相対精度での比較検証が行われている.この精密検証を通じて,素粒子の標準理論を越える物理の探索,ひいては量子力学という考え方そのものの検証が行われている.その現状をお伝えする.

著者関連情報
© 2006 一般社団法人 日本物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top