2017 年 48 巻 2 号 p. 79-86
背景 : 医学生の能力を総合的に分析する方法は未確立である. 卒前での総括的評価を総合的に分析し能力特性を明らかにすることを試みた.
方法 : 平成26年度卒業生を対象に, 共用試験 (CBT, OSCE), 実習後OSCE, 選択臨床実習評価, 試験総合計, 国試不合格および留年の有無を用いて多変量解析した.
結果 : 主成分分析で各総括的評価の第1主成分は総合的学力, 第2主成分は実習への参加度と推測された. クラスター分析では第1・第2主成分の数値により分類され, 国試不合格者と留年者は特定のクラスター群で有意に多いことが判明した.
考察 : 各種総括的評価を統合して分析することで学生個々の能力特性を捉えられることが示唆された.