Japanese Journal of Endourology
Online ISSN : 2187-4700
Print ISSN : 2186-1889
ISSN-L : 2186-1889
ESWL
上部尿管結石に対するESWLとTULの治療成績
池端 良紀高橋 敦福多 史昌新海 信雄橋本 次朗高木 良雄
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 28 巻 1 号 p. 128-131

詳細
抄録

 上部尿管結石に対するESWL(extracorporeal shock wave lithotripsy)と,軟性鏡を用いたTUL(transurethral lithotripsy)の治療成績を比較検討した.2008年4月から2012年10月までの期間に,初回治療として上部尿管結石に対しESWLまたはTULを施行した212例を対象とした.治療後3か月以内の完全排石または残石径4mm以下をStone freeとした.それぞれのStone free rate(SFR)と性別,年齢,BMI,結石径(mm),結石CT値(Hounsfield unit:HU),術前水腎症の有無,の各項目との関連を後向きに検討した.全体のSFRはESWLで70.7%,TULで90.3%であった.ESWLは「CT値1000HU以上」が有意にSFRを低下させる因子となることが示された(p<0.01).全症例を対象にSFRを比較すると,多変量解析において65歳未満,CT値1000HU未満,TUL施行症例で有意にSFRが高かった.また,ESWLで高いSFRを得るためには結石径10mm未満かつCT値1000HU未満が有用な因子となることが示唆された.

著者関連情報
© 2015 日本泌尿器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top