大都市域での大気質の改善を目指して, 大気中に放出された汚染物質を環境側で処理する大気浄化・修復技術が求められている。大気汚染物質は拡散速度が大きく有効な方法は少ないが, 窒素酸化物等については最近, 太陽光で機能する光触媒法が提案されている。本稿では, 低濃度窒素酸化物の除去を中心に, 大気浄化に必要な浄化方法の特性を明らかにし, これまでに開放系および閉鎖系について検討された植物, 土壌, 吸着剤, 排煙脱硝法などを利用した浄化方法を調査するとともに, 光触媒法の原理, 必要な浄化材料とその性能, 汚染地域での評価, 今後の見通しなどを述べる。