接着歯学
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条件の異なる各種前処理を行った象牙質とレジンとの接合界面のFE-SEM観察
杉崎 順平近藤 正也森上 誠宇野 滋山田 敏元
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2004 年 22 巻 3 号 p. 195-205

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抄録

本研究の目的は, 条件の異なる各種前処理された象牙質とレジンとの接合界面を観察することによって, 界面に形成される樹脂含浸層の構造と接着強さとの関係を調べることにある.前処理法としては, 1.リン酸処理を行ったもの (PA), 2.リン酸処理後5%次亜塩素酸ナトリウム (NaOCl) を用いて処理したもの (PA/H), 3.Clearfil MegaBond付属のプライマーで処理したもの (MP) の3種で, まずこれら各種前処理を行った象牙質に対する引張り接着強さの測定を, 次いで通法に従って作製された接着試料に対し, アルゴンイオンエッチングを施した後, またさらにリン酸とNaOClによって歯質の一部を溶解させたものについてのFE-SEM観察を行った.比較的低い接着強さのPA群ではボンディングレジンは脱灰層の深部まで十分に到達していなかったのに対し, 高い接着強さのMP群ではレジンは脱灰された象牙質の深部まで十分に到達し, 強固に接合していることが確認された.

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© 日本接着歯学会
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