接着歯学
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照射器光線の種類が試作 2 ステップセルフエッチシステム (KBV-100)の歯質接着性に及ぼす影響
田村 ゆきえ 島村 穣瀧本 正行村山 良介坪田 圭司高見澤 俊樹黒川 弘康宮崎 真至日野浦 光
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2014 年 32 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

試作 2 ステップセルフエッチシステム KBV-100 および Clearfil Mega Bond への光線照射において,照射光源の違 いがエナメル質および象牙質への接着強さに及ぼす影響について,剪断接着強さを測定するとともに,その接着界面 を観察することによって検討を加えた.ウシ歯エナメル質および象牙質に,製造者指示条件に従って歯面処理をした 後,レジンペーストを填塞,ハロゲン照射器あるいは LED 照射器で照射を行い,これを接着試片とした.接着試片 は,37℃精製水中に 24 時間保管した後,剪断接着強さの測定を行うとともに,接着試験と同様に製作した試片を用 いて接着界面について SEM 観察した.その結果,Clearfil Mega Bond においては,エナメル質および象牙質におい ても,照射器の違いによる接着強さの影響は認められなかった.一方,KBV-100 においては,エナメル質および象牙 質ともに,ハロゲン照射器よりも LED 照射器を用いた条件で,接着強さが向上する傾向を示した.また,接着界面 の観察からは,エナメル質および象牙質いずれの被着体に対しても,ギャップの形成は認められず良好な接着界面を 形成していた.本実験の結果から,試作 2 ステップセルフエッチシステム KBV-100 は,照射器の種類に関わらず充 分な歯質接着性を示すことが明らかとなった.

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© 2014 一般社団法人日本接着歯学会
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