肩関節
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治療法
リバース型人工肩関節全置換術後6カ月の可動域獲得に対する因子検討
井上 駿也髙橋 裕司前田 卓哉田村 将希阿蘇 卓也野口 悠高橋 知之古山 駿平尾﨑 尚代鈴木 昌古屋 貫治西中 直也
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2021 年 45 巻 1 号 p. 157-162

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抄録

 リバース型人工肩関節全置換術(RTSA)後6カ月時点の可動域獲得に対して,術後1カ月時点の自動挙上可動域(AEROM)および患者属性が影響するかを検討した.術後6カ月以上経過観察可能であった患者を包含した.術後6カ月のAEROMの中央値を境に良好群と不良群,原因疾患,機種間別の2群間比較を,身体機能および患者属性を変数としてそれぞれ統計解析した.また,独立変数を原因疾患,機種,術前AEROM,術後1カ月AEROM,外旋ROMとし,多重ロジスティック回帰分析を行った.51例51肩が包含され,変性疾患で術後1カ月AEROMが外傷疾患よりも高値を示した.しかし,術後1カ月AEROMのみが術後6カ月時点のAEROMに有意に関わる変数として描出された.そのカットオフ値は80° ,感度0.95,特異度0.54,曲線下面積0.82と中程度の有用性が示された.術後1カ月時点で 80° 以上のAEROMを有する患者は,機種や原因疾患に関わらず6 カ月時点で110° 以上のAEROMを獲得できる可能性が高いことが示唆された.

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© 2021 日本肩関節学会
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