2021 年 45 巻 1 号 p. 127-131
肩関節手術前は,関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis:RA)の症状が見られず,手術後診断基準を満たした症例について検討した.肩関節手術703件のうち,手術後に関節リウマチ分類基準(ACR/EULAR 2010)を満たした9症例(男性2例,女性7例)について検討した.
対象例は手術時平均年齢76.6( ± 7.6)歳であり,対象外は66.5( ± 13.6)歳であった(p < 0.01).発症時期は術後平均12.3( ± 14.3)ヵ月であった.鏡視下手術と人工関節手術とで発症率に差が見られた(p < 0.01).鏡視下手術より,侵襲が大きい人工関節でRA発症例が多く見られた.より高年齢での患者に見られ,高齢発症のRAに肩関節初発例が多いことと関連すると思われた.術後1~2年はRA発症例があることを念頭に置く必要がある.