肩関節
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治療法
RTSA術後1年でのセメントレスマイクロステム周囲の骨変化
大前 博路
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2019 年 43 巻 2 号 p. 626-629

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抄録

 リバース型人工肩関節全置換術(reverse total shoulder arthroplasty,以下RTSAと略す)の再手術では,ステム抜去の際に上腕骨骨折を生じると手術手技が困難となる.骨折のリスクを減らすため,長さ55mmのセメントレスマイクロステムを用いている.12肩を対象とし,術後1年時のX線画像を用いた.Schnetzkeらの方法を用い,ステム周囲を内側近位(M1),内側遠位(M2),ステム先端遠位(US),外側遠位(L2),外側近位(L1)に分け,cortical thinning and osteopenia(CNO), spot welds(SW), condensation line(CL), radiolucent line(RLL)の有無と骨幹端部・骨幹部のステムの髄腔占拠率を計測した.CNOは12肩(100%)のM1近位部,5肩(42%)のL1に認め,SWは4肩(33%)のM1遠位部,8肩(67%)のM2,2肩(17%)のL2に認めた.CLは1肩のUSに認めた.RLLは全例に認めなかった.骨幹端の髄腔占拠率は0.63 ± 0.06,骨幹部は0.66 ± 0.04であった.術後1年ではマイクロステム周囲にRLLはなく,内側近位部に骨吸収を生じていた.

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© 2019 日本肩関節学会
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