肩関節
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生化学
ゼラチンハイドロゲルシートによるPRP徐放投与の腱板修復促進効果
喜馬 崇至森原 徹加太 佑吉祐成 毅古川 龍平木田 圭重藤原 浩芳久保 俊一
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2017 年 41 巻 2 号 p. 358-363

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抄録

【目的】様々な成長因子を含むplatelet rich plasma(PRP)は,腱骨接合部治癒促進を期待され,臨床でも腱板修復術との併用が試みられている.しかし,効果は一定ではなく,PRPの局所濃度の維持が困難であることがその一因である.本研究の目的は,ゼラチンハイドロゲルシート(GHS)でPRPの成長因子を徐放させ,腱板修復促進効果を検討することである.
【方法】12週齢雄性SDラットの腱板修復モデルを作成し,その修復部にphosphate buffered saline(PBS),PRPを注入した群(PBS群およびPRP群),PBS, PRPを含浸させたGHSを留置した群(PBS-GHS群,PRP-GHS群)を作製した.術後4, 8週でHEおよびsafranin O染色を行い,tendon-to-bone maturing scoreで評価した.また,術後4,8週の腱骨接合部の破断強度を測定した.
【結果】tendon-to-bone maturing scoreおよび破断強度は,全群で経時的に改善したが,術後8週のPRP-GHS群で他群よりも高かった.
【考察】GHSによるPRPの成長因子徐放で腱板修復が促進された.
【結論】GHSとPRPの併用は修復腱板の治癒を促進する可能性がある.

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© 2017 日本肩関節学会
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