研究評価における数値指標(Metrics)への偏重は,ミスコンダクトや疑わしい研究活動の要因である。学術論文数は急増しているが,その一方で,捕食出版や,論文工場といった問題も生じている。Retraction Watchのような科学ジャーナリズム,PubPeerのような出版後査読,盗用検出ソフトウェアといったツールによる監視は,個々の研究者による告発とあわせて,不健全な研究活動に対抗するものである。Covid-19の世界的な流行は,査読システムの欠陥や,社会と学術出版との未成熟な関係性を浮き彫りにした。研究コミュニティを構成する各人の研究公正を推進する責務はますます大きなものとなっている。