2006 年 6 巻 p. 74-85
近年, 既存顧客との関係の強化を重視する動きが見られる。顧客との強固な関係は企業の持続可能な競争優位を構築することができるといえよう。それゆえ, 顧客関係に関するさまざまな考え方やツールが提示されてきた。しかし, 顧客関係管理については大きな期待がある反面, 実施のレベルになるとさまざまな問題が発生している。本稿では顧客関係管理の中でも組織面について, 特に顧客維持能力に関して考察を行い, 顧客維持能力として組織の志向, 顧客識別, 情報共有そして評価体制について検討する。