心臓
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第14回心臓性急死研究会 β遮断剤投与中に突然死を来した,若年者カテコラミン感受性多形性心室頻拍の1例
林 英守小田倉 弘典滑川 明男桜井 薫石田 明彦大友 潔佐藤 公雄伊藤 明一長沼 廣
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2002 年 34 巻 Supplement3 号 p. 9-14

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抄録

症例は13歳,男性.5歳時より運動中失神を認め,トレッドミル負荷試験でVTが誘発されたため,他院にてβ 遮断薬の投与を受けていた. 12 歳時に精査の目的で当科に紹介された.諸検査にて器質的心疾患はなく,isoproterenol負荷にて,非持続性の多形性心室頻拍(polymorphic VT:poly-VT)が誘発された.Propranolol 45 mg/日ではホルター心電図上,PVCが多発したため,60mg/日に増量したところPVCおよびVTは抑制された.しかし,13歳時の平成13年8月,友人と遊戯中に意識消失し,当院救急センターに搬送された.来院時は心室細動(Vf)を呈し,心肺蘇生に反応せず死亡した.
CPVTは,β遮断薬が有効とされているが,ホルター心電図でPVCおよびVTの抑制が確認されていても突然死することがあり,治療に関しては今後の検討が必要と考えられた.

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