心臓
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症例 総肺静脈還流異常を合併した両大血管右室起始症の1例
鈴宮 寛子松岡 裕二先成 英一沖島 寳洋西口 俊裕川口 健二秋元 馨早川 国男石井 潔古賀 保範
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1987 年 19 巻 5 号 p. 591-595

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抄録

両大血管右室起始症に総肺静脈還流異常を合併した1症例を報告した.患者は4歳女児.出生後まもなくより左第3~4肋間に収縮期雑音Levine 3度の心雑音が聴取され,先天性心疾患として経過観察を行っていた.生後8カ月頃よりチアノーゼが出現し,歩行開始後squattingもみられた.心電図は右室肥大を示し,胸部X線で肺壷流量の減少がみられた.心カテーテル検査後,開心根治術を行った.subaortic VSD with PS typeの両大血管右室起始症にDarling分類IIa型の総肺静脈還流異常を伴っていた.両大血管右室起始症には多くの合併奇形が報告されているが,総肺静脈還流異常の報告は少なく,まれな合併心奇形と考えられた

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