心臓
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臨床 Cardiofacial 症候群の心奇形
簡 瑞祥坂戸 信行野中 善治浜田 朗生加藤 克治河村 研一森 彪
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1979 年 11 巻 7 号 p. 696-700

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抄録

片側性の部分的顔面神経麻痺と先天性心疾患を合併した,Cardiofacial症候群の報告は,本邦ではきわめて少い.また欧米での報告でも,心疾患にたいする確定診断のなされていないものが多い.
Cardiofacial症候群6例と顔面神経麻痺を合併した心奇形3例について検討した.心奇形は,心室中隔欠損,動脈管開存,大動脈縮窄、心室中隔欠損兼肺動脈狭窄が多かった.
本症は部分的顔面神経麻痺の他に,耳や眼の発生異常を伴う症例が大部分で,心疾患の重症度に比し発育障害の強い例,精神発達遅延を伴う例が多かった.
本症候群は比較的特徴的な臨床像を呈し,先天性心疾患の原因が明らかでない現在,このような疾患単位の検討は重要だと考えられる.

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