心臓
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第25回 心臓性急死研究会
心肺停止にて発症した早期再分極症候群の 1例
藤田 聡藤井 英太郎杉浦 伸也中村 真潮伊藤 正明
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2013 年 45 巻 SUPPL.2 号 p. S2_22-S2_25

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抄録

 症例は21歳, 男性. 買い物中に突然意識消失にて転倒し救急要請された. 救急隊到着時心肺停止状態にて心肺蘇生が開始, 搬送中 3回自動体外式除細動器 (AED) による除細動が施行されたが成功せず, 救急病院到着後 4回目の除細動が施行され約30分後に心拍再開した. 状態安定後アミオダロン内服が開始され退院となり社会復帰したが, 植込み型除細動器 (ICD) 植え込みの同意が得られたため, 当院に転院となった. 初診時の心電図上Ⅱ, Ⅲ, aV F, V4~6にて0.1mVのJ点上昇を認めた. 高位肋間での心電図でJ点上昇の変化は乏しかった. 入院後冠攣縮性狭心症, QT延長症候群の鑑別を行ったがいずれも否定的で, 早期再分極症候群あるいは特発性心室細動と診断しICD植え込み術を行った. 無投薬にて経過観察中であるが, 現在のところICDの作動は認めていない.

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© 2013 公益財団法人 日本心臓財団
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