2008 年 50 巻 12 号 p. 3019-3026
【背景・目的】ショートガイドワイヤーを用いた治療的ERCPは,被爆,施行時間を短縮し,手狭な場所,少ない人員での施行を可能とするなどの利点を持つ.しかし,ENBDは,このシステムでは施行出来ない.そこで,ショートガイドワイヤー対応のENBDチューブの作成を試みた.【方法】チューブに側孔を空け,ショートガイドワイヤーを用いてENBD可能とした.側孔部の耐久性を調べるために,各サイズチューブに孔を空け,牽引試験を行った.さらに,チューブの使用安全性を検討するため,15例の患者に対しこの方法を施行した.【結果】検討したいずれのサイズでもJIS引張強度基準を十分満たしていた.全症例でチューブ閉塞や逸脱,破損なく,またドレナージ,造影にも問題なく施行できた.【結論】今後ショートガイドワイヤーを用いた治療的ERCPが,本ENBDチューブを使用する事により,我が国で広く普及して行くものと期待される.