2005年1月1日から12月31日の期間に上部消化管内視鏡検査を施行した症例のうち,低用量アスピリンを内服していた600例を対象とし(男性426例,平均69.7歳),潰瘍性病変の合併と併用内服薬について検討した.46例(7.7%)に潰瘍性病変が見られ,その合併率は酸分泌抑制剤非投与群9.5%,H2受容体拮抗剤(H2-RA)投与群8.7%,プロトンポンプ阻害剤(PPI)投与群1,0%(1例)であった.潰瘍性病変の発生は,他の抗凝固薬の併用や加齢との間に関連を認めなかった.低用量アスピリン内服者に対するPPlの投与がアスピリンによる上部消化管潰瘍性病変の予防に有用であると考えられた.