2005 年 47 巻 5 号 p. 1121-1125
(目的)胃腫瘍性病変に対する切開・剥離法中の出血に対し,口腔洗浄器を用いた送水による出血点同定の工夫を検討した.(方法)鉗子孔にT字管を装着し,そこに口腔洗浄器(Water Pik(R))を接続した.出血時に鉗子孔に細径の針状ナイフを留置したまま送水して出血部位を同定し,凝固止血した.止血困難な場合には止血鉗子による凝固止血やクリップ止血を施行した.対象は早期胃癌19例と胃腺腫6例であった.(成績)針状ナイフと止血鉗子では鉗子孔に留置したまま送水でき,出血部位の同定と止血が容易であった.(結論)細径スコープの鉗子孔にT字管とWater Pik(R)を接続することにより,細径の処置具ならば鉗子孔に留置したままでも送水できるため,出血圧部位の同定に有用であった.