日本消化器内視鏡学会雑誌
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十二指腸下行部に潰瘍性病変を認めたBehget病の1例
小橋川 嘉泉仲村 将泉外間 昭山澤 紀子松原 賢治金城 福則斎藤 厚
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キーワード: 管Behcet病, 十二指腸潰瘍
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2003 年 45 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

症例は55歳,男性.心窩部痛と黒色便を主訴に当科受診.消化管内視鏡検査で十二指腸下行部の下掘れ傾向のある潰瘍と回腸末端部の潰瘍を認めた.十二指腸潰瘍はHelicobacter pyloriの関与はなく.omeprazoleに抵抗性であった.当初Crohn病と診断し,中心静脈栄養療法を行い,5-aminosalicylic acidとprednisoloneを投与した.症状は速やかに軽快し,消化管病変は狭窄や変形もなく改善してCrohn病の通常の臨床経過と異なっていた.外陰部潰瘍の既往と皮膚の針反応陽性所見の2主症状と,消化管病変及び経過中に生じた左足関節炎の2副症状から不全型腸管Behcet病と診断した.十二指腸下行部の潰瘍を併発した腸管Behcet病は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.

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