2003 年 45 巻 6 号 p. 1024-1030
巨大な胃ポリープを伴うたTangier病の1例を報告する.患者は51歳の女性で易疲労感を主訴に当科を受診した,眼瞼結膜の貧血を認めた.上部消化管内視鏡検査において胃は粘膜全体が黄色調を呈し,巨大なポリープと多数の黄色腫を認め,脂質検査では血清コレステロール値の低下,特にHDLコレステロール(high density lipoprotein-cho1estero1:HDL-Ch),アポリポ蛋白A-1,アポリポ蛋白A-IIが著明に低下していた.Tangier病は上部消化管内視鏡検査を契機に発見されることは,極めて稀であり,若干の考察を加えて報告する.