2001 年 43 巻 9 号 p. 1871-1877
背景・目的:金属ステントは近年食道,胃の悪性狭窄に対してその有用性が確認されているが,ステント挿入にもかかわらず十分な拡張を得られない症例もある.また頚部食道狭窄はその解剖学的な関係より人工食道等の治療が困難である.方法:今囲われわれはステント挿入にもかかわらず十分な拡張を得られなかった食道入口部近くの食道癌術後再発による胃管狭窄に対し拡張力の弱い非カバー部のステントを切り取り,再度stent in stent法にてステントを挿入した.結果:狭窄部の良好な拡張を得た.結論:食道入口部近くにステントを胃く場合stent in stent法が有用であった.また初会挿入時よりWallstentの非カバー部分を切除し挿入する可能性も示唆された.