日本消化器内視鏡学会雑誌
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超音波内視鏡下穿刺により術前診断しえた胃グロームス腫瘍の1例
鈴木 厚人大橋 計彦山雄 健次古川 剛松浦 昭栗本 組子中村 常哉鈴木 隆史Akiko KIMOTOTakuji YAMAO筒井 茂水谷 佐世子
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1999 年 41 巻 4 号 p. 952-956

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抄録

 症例は48歳,女性.胆石精査のための腹部超音波検査にて膵頭部近傍に腫瘤を指摘,超音波内視鏡検査の結果,胃粘膜下腫瘍と診断され精査目的で当科に入院した。胃X線および内視鏡検査にて胃前庭部大弯に経約3cmの粘膜下主要を認めた。超音波内視鏡所見では第4層ないに境界明瞭で内部エコーが不均一な高エコーの腫瘤を認め,その内部には斑状の低エコー域を認めた。胃平滑筋腫または肉腫を疑ったが、超音波内視鏡下穿刺による生検結果で胃グロームス腫瘍と診断された。腫瘍核出術を実施,摘出標本の病理組織学的検査では拡張した血管周囲に異型性のない腫瘍細胞の敷石状の増生を認めた。超音波内視鏡下穿刺は粘膜下腫瘍の質的診断に有用な検査法と考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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