日本消化器内視鏡学会雑誌
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超音波内視鏡による食道・胃静脈瘤の形態および血流速度に関する研究
根本 行仁村田 洋子光永 篤鈴木 茂林 直諒
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1998 年 40 巻 5 号 p. 763-772

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抄録

われわれは細径プローブを用いた超音波内視鏡(EUS)と内視鏡的超音波カラードプラ法(ECDUS)を使用し,静脈瘤の形態(血管径,貫通血管,噴門部静脈瘤の有無)および血流速度について検討した.対象は未治療の食道・胃静脈瘤20症例とした.食道静脈瘤の径,血流速度,貫通血管の本数は内視鏡所見のF因子,F2群とF3群で有意差を認めた.噴門部静脈瘤(Lg-c)はF2の61.5%にF3の100%に認められ,F3はF2に比べ,Lg-cの径が太く本数が少ない傾向にあった.また,食道静脈瘤の径と血流速度,径と血流量には相関が認められ,食道静脈瘤の径を測定することで,血流速度と血流量の予測が可能と考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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