日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
クローン病のカプセル内視鏡によるスコアリングの実際
大森 鉄平 高鹿 美姫村杉 瞬
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2023 年 65 巻 10 号 p. 2202-2216

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抄録

クローン病(Crohnʼs disease:CD)は主に小腸と大腸に炎症を繰り返し腸管ダメージが蓄積する慢性進行性破壊性の炎症性疾患である.小腸病変は臨床症状やバイオマーカーに反映しにくいことが経験されるため小腸カプセル内視鏡(Small Bowel Capsule Endoscopy:SBCE)などによる粘膜炎症の評価と定量化は重要である.CDに対するSBCEスコアとして一般的に用いられているものとしてはLewis ScoreとCapsule Endoscopy Crohnʼs Disease Activity Indexがある.スコアはさまざまなエビデンスがあるが,スコアのみで判断すると炎症と狭窄のような器質的変化が混在するCDの病態を見誤る可能性があるため注意が必要である.またレポートで報告する情報としてパテンシーカプセルによる開通性評価判定の有無,腸管手術歴,腸管通過時間を必ず明記し,スコアでは判断しにくい術後吻合部潰瘍や狭窄部位,特徴的な胃病変である竹の節状外観や十二指腸のノッチ様陥凹があればもれなく記載することが望まれる.

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© 2023 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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