2016 年 58 巻 7 号 p. 1227-1233
症例は90歳代男性.発熱,腹痛を主訴に当院を受診した.腹部CTでは,胆嚢の腫大を認め急性胆嚢炎と診断した.認知症を有し,tubeの自己抜去の危惧から経皮的アプローチは困難と判断し,十分なインフォームドコンセントのうえ,ドレナージ法として超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ術を選択した.十二指腸球部から胆嚢を穿刺し,ガイドワイヤーを留置,瘻孔を拡張したのち,金属ステントを留置した.偶発症を認めず経過し症状の改善が得られたため第14病日に軽快退院となった.今回われわれは急性胆嚢炎に対し超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ術が有用であった一例を経験したので報告する.